2009年01月23日

忘れ去られたブログを思い出したように更新してみる

『アンダーカヴァー』監督: ジェームズ・グレイ
出演: ホアキン・フェニックス/マーク・ウォールバーグ/エヴァ・メンデス/ロバート・デュヴァル

88年のニューヨークを舞台に、警察幹部の父、エリート警官の兄、裏社会に生きる弟という家族を巻き込んだ、警察とロシアンマフィアの闘いを描いた物語。

久しぶりに手放しで「素晴らしい!」と思った映画でした。
色々なところに書かれているけど、観ていて『ゴッドファーザー』を思い出させる感じ。ロバート・デュヴァルだし。

親子や兄弟、裏切り、などの要素を多く含んでいるにも関わらず嫌らしいセンチメンタリズムに陥らない、もっと覚悟のある映画で、お話の部分で見せると同時にこの手の映画にはもっとも重要なカーチェイスや銃撃シーンは古き良き70年代の犯罪映画的重量感があって且つ古臭くない。

舞台となった88年と言えばちょうど私が初めてニューヨークに行った年です。日本から見たニューヨークは、磯崎新設計の「パラディウム」や教会を改装した「ライムライト」などゴージャスなディスコの時代。ブレット・イーストン エリス(小説の舞台はLAだけど)やJ.マキナニーなど「あらかじめ失われた世代」の時代、コカインの時代。あの頃なのかと思うと、なんだか感慨深い。

東京地区での公開は残念ながら本日まで(歌舞伎町ミラノ)。「ゴッドファーザー」的男の映画が好きでたまらない人は必見。  

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2008年04月16日

ガス・ヴァン・サント映画の曇り空

e2daf595.jpg『パラノイドパーク』(監督・脚本・編集:ガス・ヴァン・サント、撮影監督:クリストファー・ドイル)

ポートランドに住むスケートボード少年たちの日常と事件を描いた作品。

「Xゲーム」を見るのが好きなんですけど、何に惹かれるかというと「Air」なんスよね。浮力、その瞬間。時間が揺らいで音が消える、あるいは、小さな音が逆に強調される感じ(実際に競技している人がどう感じているかはわからないケド)。

『パラノイドパーク』を見ていてその感じと共通するものがあるような、前作『ラストデイズ』同様音にこだわっていて、ゴダールの『アワーミュージック』等も思い出したりしつつ、ガス・ヴァン・サントの作品ってそんな風に音と映像で語る部分がとてもイイんだなぁと思うワケです。

少年達がただただスケートボードをするところや(この映像なんかはクリストファー・ドイル テイスト強し)、少年がただ歩いているところ、ただぼんやりしているところなんかを、ずーっと見続けていたいと思えるんスよ。

んで、少年が時々一人で手紙を書きに行く海辺の草むらの冴え具合などドキっとします。

『ラストデイズ』の冒頭30分を観た時の「スゲーッ!もしかしてコレって大傑作?」と感じたような興奮は無かったけど、少年の顔とスケートボードの音がいつまでも頭にこびりついて離れない作品。映画館から出てしばらくは完全にガス目線で、日常が自分をどんどん通り過ぎて行く感じ。渋谷109前の交差点では車に飛び込こんでしまおうか?という強い衝動にかられました。あぶねーっつーの!

『ラストデイズ』を観た後しばらく「しまった!森を持って帰って来てしまった」と思ったもんだが、今回もそんな風で、ヴェンダース、ジャームッシュには「何言ってんだ? オッサンが。」とガッカリさせられたけど、ガスはまだまだストリートにいるようです。

今回使われていた音楽の中ではイーサン・ローズが素敵でした。CD買うです。  
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2007年09月26日

悪夢に取り込まれることの快感

cb23c767.jpg今月のBTはデイヴィッド・リンチ特集だ。で、ハタと気付いて慌てて恵比寿ガーデンシネマへ『インランド・エンパイア』(監督・製作・脚本:デビッド・リンチ 出演:ローラ・ダーン ジェレミー・アイアンズ)を観に行く。

ハリウッド女優のニッキー(ローラ・ダーン)を主人公に、撮影が進行して行く映画と現実の境界が曖昧になって行くお話。

デジタルビデオカメラ(SONY PD-150)で撮影された3時間に果たして私は耐えられるんだろうかとか、『ロスト・ハイウェイ』と『マルホランド・ドライブ』を足してビデオで撮影した感じか、、、とか思いつつ最初の1時間位は観ていたんだけど、だんだんとリンチのやりたい放題が暴走モードに。

なんど起きても目覚めない夢のような、繰り返し迷い込む迷路に「夢よ覚めてくれ!もう許して!」的感覚にはまり込む。これが、快感なのです、何故か。

まさにBT掲載のリンチ大回顧展@パリ・カルティエに展示されている作品(写真)の世界。

映画としてどうよ?ってのはあるし、こういう映画を評価すると冷たい目で見られそうだし、、でもでも、、、楽しいか否かと言えば、、楽しい!楽しいんだからしょうがない。ちゃんと全部理解しているかって?勿論ワカリマセンよ、そんな事。

とは言え、個人的にはやはりウルっとした美しい映像が好きなので「もうヴィデオでしか撮らない(リンチ談)」とか言われちゃうとちょっとねー。

ところで、エンドロールで流れたNia Simone『Sinner Man』。観ている時は誰の歌だか思い出せなくてメチャ悩んだ。持ってるよ、この曲。でも、誰だっけ?と。
ローラ・ダーンの旦那であるベン・ハーパーがカメオ出演してピアノを演奏していたので、最初彼の曲かとCDを調べたんだが違う。気持ち悪いぃ〜。


で、今朝になって気付きました。『マイアミ・バイス』のサントラだ!
あ〜スッキリした。  
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2007年08月06日

エアコン使ってる?

1810d6e8.jpgウチはまだ耐えています。暑いよ〜、いつになったら使ってもいい?

さて、先週末『石の微笑』(監督:クロード・シャブロル、出演:ブノワ・マジメル、ローラ・スメット)を観ました。

各所で大絶賛の本作を見終わって「今更こんな・・?」と思ってしまったのは狂気のファム・ファタールを演じたローラ・スメットにまーーっったく魅力を感じなかったからか。
運命の二人が出会うシーンを始め、二人共がてんでバラバラに「演技している」様子がどうにも白けます。

ただ、ローラ・スメットの肌の色を素晴らしくキレイに捉えたりする照明などはさすがでした。

*********

映画館で実写版『キャプテン』のチラシをゲット。
そして、ちばあきお『キャプテン』全15巻もゲット。
  
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2007年07月18日

『洲崎パラダイス 赤信号』

415781d7.jpg先週は『洲崎パラダイス 赤信号(56年)』 (日活 監督:川島雄三、出演:新珠三千代、轟夕起子、三橋達也)を観にフィルムセンターへ。平日1時〜の回だってのに超満員で入場できなかった人もいたらしい。会場でオニキチさんに会ったス。

オープニングの橋にたたずむ男女とその下を流れる川をとらえたシーンに何故かドキっとする。んで、これは絶対スクリーンで観なきゃダメな映画だと強く確信。

内容は「おれなんか・・」が口癖の頼りない男(三橋達也)とそれを見捨てられない歓楽街上がりの女(新珠三千代)が中心のウダウダ話。どのキャラにも共感できないんだけど観ていて引き込まれるのよ。唯一、自分より少し若い女に対して見せる瞬時の敵意は分かる。分かる自分が悲しいが。

見終わって「情」というものについて暫し考えた。

それにしても当時の東京は埃っぽくて貧乏臭いよね。食器を洗うのに洗剤は使っていない。かけ蕎麦は20円。「神田の電気屋」のシーンは多分秋葉原だと思うんだけど、今も面影ある気がしたな。

古い映画は看板だとかそういう当時の生活を観るのも興味深くて好き。
  
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2007年02月06日

『あるいは裏切りという名の犬』という日本題はちょっと恥ずかしくないですか?

fe93d398.jpg『あるいは裏切りという名の犬(04)』監督:オリヴィエ・マルシャル/出演:ダニエル・オートゥイユ 、ジェラール・ドパルデュー

原題は『オルフェーヴル河岸36番地』つまりパリ警視庁の事。

警視でありライバル同士であるレオ(ダニエル・オートゥイユ)とクラン(ジェラール・ドパルデュー)。その頃頻発していた凶悪な連続現金輸送車強奪事件を解決した方が次期長官の座を得ることになっていたのだが・・。

雨で濡れた夜の路面が印象的。メルヴィルの『サムライ』『いぬ』などを思い出すフレンチ・ノワール的暗さと、『男たちの挽歌』的香港ノワールの男臭さを併せ持つ、雰囲気たっぷりの作品でした。これが実話に基づいているとは恐ろしいね。

普段アメリカの警察ドラマを散々見ているので、パリ警視庁の建物や内部の装飾品、アルファロメオとプジョー、警察葬で流れる葬送行進曲、刑務所などその文化の違いがなかなか興味深かったス。

ただ、全編絶え間なく流れ続けるそれっぽいBGMはどおよ?ウルサイし疲れる。

この映画はデ・ニーロ製作でのリメイク権をハリウッドが取得しているらしいが、それってハマリ過ぎ!ダニエル・オートゥイユ、時々デ・ニーロと錯覚したもんw

それと、後からキャストを見て「ふ〜ん」と思ったのが娼婦役のミレーヌ・ドモンジョ!『悲しみよこんにちは』が57年の作品だからなぁ。歳をとられました・・。

  
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2007年01月10日

『くちづけ(55年)』東宝

a1670349.jpg石坂洋次郎の短編小説を3人の監督がそれぞれ演出したオムニバス映画。

製作:藤本真澄、成瀬巳喜男
監督:【第一話】筧正典、【第二話】鈴木英夫、【第三話】 成瀬巳喜男
出演:笠智衆、司葉子、飯田蝶子、上原謙、高峰秀子、他

他愛ない男女の関係と、それを取り巻く人々を描いたコミカルな作品。

一番上手いのはやっぱり成瀬ッスね(第三話「女同士」)。軽やかに、スマートに、ちょっとイジワルに、実にセンス良く作ってあります。高峰秀子がまたステキなんだぁ。なんであんなにリアリティがあるんでしょうね、あの人の演技は。ラストのオチも洒落てます。

けど、一番心動かされたのが第二話の「霧の中の少女」。
夏休みで帰省中の長女を訪ねて、大学の友人である男性が泊まりに来る。若い二人に間違いがあってはとヤキモキする両親、二人を焚き付ける祖母、好奇心一杯の次女、何にも考えてない弟、が登場人物。

なんでもない話なんだけど、画面からあふれ出てくる明るさと優しさと何とも言えない幸福感に、ただただ泣けてきたスよ。

どの作品にも品(ひん)がある。日本人はいつから下品になったのかねぇ。(←と自分の事は棚に上げて)


ところで、大映映画に於いて数々の素晴らしい作品を手がけてきた美術監督の内藤昭氏が8日、筋委縮性側索硬化症のため死去、79歳。残念です。ご冥福をお祈りします。
  
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2006年10月19日

『ブラック・ダリア』観ました

8113578f.jpg『ブラック・ダリア』(監督:ブライアン・デ・パルマ、出演:ジョシュ・ハートネット、スカーレット・ヨハンソン)

内容と切り離して純粋に映像だけを見るなら、とても良いです。ハリウッド大作映画にふさわしい、久しぶりに気持ちよく観ることができる映画らしい映画でした。

次ぎに物語ですが、これはいけません。
ラスト数十分に無理矢理オチを詰め込んでいるので、伏線を自動的に拾って変換する癖がついているミステリーファンでなければ、何のことやらサッパリわからんと思われます。実に潔くない!!

デ・パルマはリンチではないのだから、ミステリーの部分を単純に雰囲気たっぷりに見せりゃいいんスよ。『L.A.コンフィデンシャル』のカーティス・ハンソンみたいにさ。実際そう言う映画になると思ってたんだけど。

原作のジェイムズ・エルロイのファンとしての感想は「やっぱりね(ニヤリ)」。
エルロイの描く熱にうなされているような情念やらむきだしの憎悪やら歪んだ欲望と、覗き込んでしまったら引きずりこまれる深い真っ暗な闇をデ・パルマが表現できるとは思えない。実際、「登場人物達がブラック・ダリアに取り憑かれた」部分を描けなかったので、「なんで『ブラック・ダリア』なの?」って事になっちゃったんだよなぁ。そこんところを割り切って撮ればもっと楽しい映画になったのに、惜しい・・。

因みに私がこの映画で一番ステキだと思ったのは、レズビアン・クラブでの「Love for Sale」byコール・ポーターをバックにしたショウ。何故かね。

ところで、スカーレット・ヨハンソンってどおよ?
あの小娘にこの役はムリ。洋画でこれだけ幼稚な演技を観るのもめずらしい。雰囲気出てたのは、ダイニングテーブルの上でファックされてる時だけでした。
  
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2006年09月19日

若きマイケル・ケインは細身のスーツが似合うイイオトコだった

5cc41390.jpgリメイク版『ミニミニ大作戦(03)』(監督:F. ゲイリー・グレイ/出演:マーク・ウォールバーグ、エドワード・ノートン、シャーリーズ・セロン)

悪くない。テンポが良くて痛快で楽しい映画です。
けど、どこが『ミニミニ』やねん!

と、言うわけでminiオーナーであるモギ!氏所有のDVDオリジナル版『ミニミニ大作戦(69)』(監督:ピーター・コリンソン/出演:マイケル・ケイン、
ノエル・カワード)を観ました。

これだよ、コレ!! miniがカワイイよォ〜。
フットボールのイタリア×イギリス戦が行われているトリノで、フィアットの金塊を盗んでミニ・クーパーで運び出すという設定からも分かるように、イギリス好きには堪えられない、寒いギャグ、スマートなスーツ、マヌケなイギリス人満載の映画。カーチェイス・シーンの美しさにはホレボレ。音がいいなぁ『バニシング・ポイント』でもダッジ・チャレンジャーの音が印象に残ったけど。

アストン・マーチンに始まりクルマが次々壊されるのがもったいないス。アメ車がペシャンコにされても何とも思わないんだけどねぇ。

あと、miniの字幕が全部「小型車」となっているのはどおよ?NHKじゃないんだからさ。
(NHK/BS2で放映された『フレンチ・コネクション2』
ではポパイがバーで「ジャック・ダニエル」と頼んだら字幕は「テネシーの酒」、「ターキー」と頼んだら「ケンタッキーの酒」になってましたw)  
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2006年09月09日

映画版「マイアミ・バイス」、最高にクーーーーーーーーールッ!

6fa3cca8.jpgまぶぜさんのブログを読んでいてもたってもいられなくなり、昨日『マイアミ・バイス』http://www.apple.com/jp/quicktime/trailers/uip/miamivice/観てきました。

ストーリーは、、、まぁどうでもいいです。そして、テレビ版とはまっったくの別物でしたが全然問題ナシです。

最初は、ハンドカメラでの接写にイライラ。カメラが近すぎる映像は意味的なもの云々を超えて身体的苦痛を伴うので「マイッタナ〜」と思っていたんだけど、途中からはハンパじゃない緊張感にずっと固まって観ていたので、それどころじゃなかったス。

TV版の魅力である気の利いたジョークなんかは削ぎ落とされ、映画版は徹底的にクールでハード。ヒップホップなんですね。そこにはある種の「様式美」があって、高性能の銃器、高速艇、小型飛行機等をあたりまえのように無駄なく使いこなすその仕草にクラクラするほど魅了されました。そんで、ひとつ間違えば即死につながるというギリギリな感じが表情にも良く出ているんス。

つまりそこが別れ目。

できるだけ多くの火薬を使い、モノを壊して、爽快な爆発と滑らかなアクションを求めるタイプか、或いは、銃を構えた時の音や犯罪組織との交渉に於ける緊迫感、乗り物の使い方など「様式美」を求めるタイプなのか。

後者のタイプには10点満点の素晴らしくクールな映画。前者には欲求不満の残る映画かも。

そしてコン・リーはステキだった。彼女の涙、あそこまで切羽詰まった事はないけど、とっても良く判って泣けてきたス。

いつもなら映画館から出ると現実とのギャップを感じるんだけど、昨日はレイトショウだったので終わって外に出たら深夜12時。飲食店は店じまい直後で、昼間の熱気をわずかに残しつつもヒッソリと無機質に佇む現代社会に於ける欲望の象徴とも言える六本木ヒルズを後にして、六本木通りを自転車で走っていると当然脳内BGMは「マイアミバイス」。最高に気持ちよのよい夜でした。



  
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