2007年01月10日

『くちづけ(55年)』東宝

a1670349.jpg石坂洋次郎の短編小説を3人の監督がそれぞれ演出したオムニバス映画。

製作:藤本真澄、成瀬巳喜男
監督:【第一話】筧正典、【第二話】鈴木英夫、【第三話】 成瀬巳喜男
出演:笠智衆、司葉子、飯田蝶子、上原謙、高峰秀子、他

他愛ない男女の関係と、それを取り巻く人々を描いたコミカルな作品。

一番上手いのはやっぱり成瀬ッスね(第三話「女同士」)。軽やかに、スマートに、ちょっとイジワルに、実にセンス良く作ってあります。高峰秀子がまたステキなんだぁ。なんであんなにリアリティがあるんでしょうね、あの人の演技は。ラストのオチも洒落てます。

けど、一番心動かされたのが第二話の「霧の中の少女」。
夏休みで帰省中の長女を訪ねて、大学の友人である男性が泊まりに来る。若い二人に間違いがあってはとヤキモキする両親、二人を焚き付ける祖母、好奇心一杯の次女、何にも考えてない弟、が登場人物。

なんでもない話なんだけど、画面からあふれ出てくる明るさと優しさと何とも言えない幸福感に、ただただ泣けてきたスよ。

どの作品にも品(ひん)がある。日本人はいつから下品になったのかねぇ。(←と自分の事は棚に上げて)


ところで、大映映画に於いて数々の素晴らしい作品を手がけてきた美術監督の内藤昭氏が8日、筋委縮性側索硬化症のため死去、79歳。残念です。ご冥福をお祈りします。


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