2006年07月19日

『僕はマゼランと旅した』

d65f8f36.jpg『僕はマゼランと旅した』スチュアート・ダイベック著/柴田元幸訳/白水社

シカゴを舞台にした11編からなる連作短篇小説で、図書館で借りたんだけど読み終わって改めて買うことにしました。何度でも読み返したい作品。

前作の『シカゴ育ち』も素晴らしかったけど、それがさらに熟成された感じで、もしかしたらどこかゴツゴツとした前作の方が好きな人もいるかもしれないけど、私はこちらの方が好きです。

本文中にもダイベックが一節を引用しているけど、これはケルアックであり、ギンズバーグでもあるように思えます。詩人なんですね、この人は。

「あのころ、ほかにいったい何人が、実はひそかに、自分自身にも秘密で泣いているのに、祈るふりをしたことだろう?あるいは何人が、空しい涙の代わりに祈ったことだろう?あるいはまた、自分が忘れてしまったものをめぐって泣くべきだったと思うがゆえ、こののち忘れるであろうものをめぐって泣きつづけるべきだと思うがゆえに、祈る。(中略)子供が祈るやり方で、あたかも願い事を唱えるかのように、あたかも熱い涙が荒々しい冷たい心に縞模様を刻んでゆくかのように祈られた祈り。神のすべての青い男の子たちのための祈り。(本文より)」


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