2005年11月17日

GET UP! STAND UP!

34977c4a.jpg『バッドアス!(03年)』(製作・監督・脚本・出演:マリオ・ヴァン・ピーブルズ)

本作で製作・監督・脚本・主演をつとめるマリオ・ヴァン・ピーブルズの父親であるメルヴィン・ヴァン・ピーブルスがつくった、黒人自主製作映画の先駆けである『スウィート・スウィートバック(71年)』の製作現場を描いた作品。

当時のハリウッド映画において黒人はいつも道化役でしかなく、彼らもそれに慣れてしまっている。でも「俺達は違うんだ!」と主張するべく黒人による黒人の為の映画を撮ろうと考えたメルヴィンは、わずか15万ドルの資金を元に主演・監督・脚本など1人7役をこなしながら、当時としては革命的なこの作品を完成させる。

映画製作の現場なんて良く分からない私にも、崖っぷちに立ちながら15万ドルで映画を作るって事の大変さがひしひしと伝わって、胃が痛くなるようでした。山のようなトラブルを抱えながらもメルヴィンの強い意志の力で完成に漕ぎ着けるも、今度は上映してくれる映画館が2館しか見つからない。絶体絶命!と思いきや・・。 この辺の盛り上げは鳥肌立ちましたね。

この作品を見て、映画『遠い夜明け』で有名な南アフリカの黒人指導者スティーヴン・ビコが自らの著作『俺は書きたいことを書く』で述べている「黒人意識運動」を思い出しました。曰く、

「《黒人意識》の哲学は、集団としての誇りと、心に描いた自己の姿に到達しようとする黒人の決意を表明する。この種の思考の核心にあるのは、抑圧者の手中にあるもっとも強力な武器は被抑圧者の心であることを、黒人が自覚することである。」

見終わってしばらくは、肩で風を切って歩きたいような気分になる力強い映画でした。ただ、マリオ・ヴァン・ピーブルズの次回作を観たいかと言えば、う〜ん・・・。ちょっと違うかなと思います。そう言う意味では、ブラック・ムーヴィーの第一人者でありながらも広い層に受け入れられているスパイク・リーって凄いよなと改めて思ったり。

『スウィート・スウィートバック』制作当時の関係者であるビル・コスビーが最後に言った「夢を追うのなら、まず自らの目を覚ますことだ。」という言葉が心に残りました。




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2005年度下半期ベスト6 から バッドアス!【もっきぃの映画館でみよう】at 2006年01月08日 04:07
この記事へのコメント
マリオの『ニュー・ジャック・シティ』は見たこと無いけど有名ですね。ヒップホップ好きの連中には受けがいいですけどスパイク・リーとは路線が違う感じ。
ちょっと検索かけてみたけど監督作は他にこれしかないのかな?

スパイク・リーは一番注目されていたときに洋服屋みたいのもやっててファッションリーダーとしての人気も凄かったですよ。『マルコムX』とかの観客動員が伸びたのはその影響力が間違いなくありますね。NBAとか音楽(hiphop)も面白い時期だったし、時代に選ばれた人という印象は拭い難いです。

そういやジャームッシュ(白人ですけど)の『ゴーストドッグ』の中でパブリックエネミー好きのヤツとか出てきたけど、明らかにネタに鮮度なかったなぁ。。

あ、『ガール6』はプリンスがサントラ担当でした!
そんなとこも好きなんじゃないすか、黒猫さん(笑




Posted by カルアル at 2005年11月18日 22:13
>カルアルさん
『ニュー・ジャック・シティ』は話題になったので観たんだけど、あまり覚えてないのよね。かなり殺伐としていた印象。
リーはやっぱり『ドゥ・ザ・ライト・シング』だな。「Do The Right Thing(正しい事をしろよ!)」は座右の銘と言ってもいいです。

『ゴーストドッグ』は大好き!「すべて熟知」。

Posted by 黒猫クロマティ at 2005年11月18日 22:48