2005年08月09日

8月に思うこと

9e8ef318.jpg『八月がくるたびに』(おおえ ひで 著、篠原 勝之 絵、理論社)

去年の今頃にも紹介したのですが、8月になるといつも思い出すのがこの絵本。

「1945年8月9日。世界で二番目の原子バクダンが、ながさきの、うらかみの町におとされました。そのとききぬえは、五つでした。」

主人公のきぬえちゃんは長持ちに入って遊んでいたので、大やけどを負ったものの命は無事でした。しかしおかあさんは家の棟木の下敷きになり生きながら火に焼かれ、大きな傷を負わなかったおじいちゃんと兄のきよしも、やがて原爆病の吐き気と下痢に苦しんで亡くなります。

私がこの本を読んだのは小学3年か4年生の頃。今もこの作品の事を考えると、放課後の図書室の風景が浮かんできます。

戦争って言うと近頃は派兵するとかしないとかって議論になる事が多いけど、突然いやおうなく巻き込まれて国土を滅茶苦茶にされ、過去も未来も全てを失う人がいるって事を、そして選択を間違えば、今度は自分が犠牲者のひとりになり得るんだって事を忘れたくないです。

先日母親の胎内で被爆した「原爆小頭症」についての特集をTVで見ました。彼等はそろって今年60歳を迎えます。人類にとって原爆とは過ぎ去った過去ではなく、今現在でもあり未来でもあると私は思います。




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この記事へのコメント
戦争の恐ろしさとは、市井の人々が恐怖にさらされ、多くの命を失うことでしょう。
読むのが辛い本ですが、経験のない私たちにとって貴重な存在ですよね。
「イーダ」もそうですが、放射能が長い時間をかけて人体をむしばみ
終わったはずの戦争が体内では続いているという理不尽な恐怖は想像を絶します。

ニューヨークおぼっちゃんマシュー・ブロデリックが
原爆を開発した側の人について確か映画化しているんですよ。
(今、色々ネットで探してみたんですけど題名等不明です。)
「これで僕らは悪魔になった。」というセリフをテレビスポットで観て
ああ、観てみようかなと思ったんですけど…ご存じないでしょうか??



Posted by 野はら at 2005年08月09日 23:27
>「これで僕らは悪魔になった。」

それは、『インフィニティ 無限の愛』ですね。物理学の大家リチャード・ファインマンの自伝映画のようです(…すみません、小生も未見なので)。
でも、このファインマン氏には「エッセイスト」としての一面もあって(『ご冗談でしょう、フィンマンさん』ほか、岩波書店から邦訳あり)、化学者たちがいかに奇人・変人かを軽妙に綴った文章はシニカルで面白かった記憶があります。

でも、さっきこの映画について調べようとallcinema onlineを見たら、この映画の日本公開時のキャッチフレーズが

閃光の後に、愛は残った…

……
……

もはや大多数の日本人にとって、「ヒロシマ・ナガサキ」というのは所詮“夏の風物詩”に過ぎないのかなぁ。哀しいけれど。
Posted by やましん at 2005年08月10日 11:06
>野はらさん
親は戦争世代だけど私たちにとっては想像でしかないので、後の世代に伝えて行くってムツカシイなぁと思います。押しつけても良くないし、自分の意見でなければ意味ないですもんね。

私が子供の頃はなんつっても少年誌で「はだしのゲン」が連載中で、この漫画の恐ろしさはハンパじゃなかったス。いつか自分もこんな風に世界の終わりを体験するんだと本気で恐れていました。

ブロデリックと核と言うと「ウォーゲーム」を思い出したんですが、「インフィニティ 無限の愛」ですか。やましんさん、ありがとうございます!

>やましんさん
映画は未見ですが、調べてみるとどうやらブロデリック監督作品みたいですね。博士と奥さんとの愛の話のようですが、そのキャッチフレーズは他ならぬ日本人が考えるものとは思えないです・・。
Posted by 黒猫クロマティ at 2005年08月10日 11:52