2005年06月23日

ミステリー小説のヒーロー達 その9/デレク・ストレンジ

cb5b9796.jpg『曇りなき正義』(ジョージ・P・ペレケーノス著 佐藤耕士訳 ハヤカワ・ミステリ文庫)

シリーズ第1弾。ワシントンのベテラン私立探偵デレク・ストレンジが受けた依頼は、事故で射殺された黒人警官の母親からのもの。息子は模範的な警官だったのに犯罪者のような扱いを受けているので、その汚名をすすいで欲しいと言うのだが、調査が進む内に麻薬に溺れて失踪した妹の存在が明らかになり、やがてこの兄妹の過酷な運命が浮き彫りになってくる・・。

ペレケーノス作品からは、古典的ハードボイルド小説のような甘い感傷はあまり感じないですね。暴力の背景に潜む貧困や人種差別などをムダを排した文章で、非常に骨太に描いています。エルロイが好きな人なんかは気にいるんじゃないかと思います。

それと彼の作品には実に沢山の音楽が奏でられるのでこれがまた楽しい。一番多いのは70年代のブラックミュージックかな?でも例えばキュアーとかペットショップボーイズとかポーグスと言ったUKミュージックが流れる事もあるし、本作でもウエスタン好きであるストレンジの部屋ではエンニオ・モリコーネが奏でる『夕陽のガンマン』のオープニングテーマが朗々と響いたりと、その趣味はかなり多様です。

巻末のあとがきには彼がミラマックスに書いたオリジナルの脚本が映画化に向けて始動したって書いてあるけど、どうなってんでしょうかその辺。知ってる人がいたら教えてください。

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