2005年05月24日

アラーの神にもいわれはない

47b618ed.jpg『アラーの神にもいわれはないーある西アフリカ少年兵の物語』アマドゥ・クルマ著

読んだのは2年位前で実は他のサイトでも紹介した事があるのですが、しつこくこちらでも。

「もうこの世には、父さんも母さんも兄さんも姉さんも、だれもいないっていうのに、自分がまだチビ助だったらいったいどうするよ?
ひとが寄ってたかってたがいに喉を掻っ切ってるようないかれた野蛮な国に、かわいいチビ助がひとりぽっち残されたら、いったいそいつはどうすりゃいいのよ?

もちろんそいつは子ども兵になるのよ。食いものにありつくために、スモール・ソルジャーやらチャイルド・ソルジャーやらになるのよ。

そしてこんどはそいつにもお鉢がまわって、てめえがだれかの喉を掻っ切ることになるわけよ。いきつく先は、もうそれっきゃ残っちゃいねえんだ」(本文より)

少し前に「世界の危険な国ランキング」なるものを新聞で見ました。そこでは最も危険な国にイラクが選ばれていましたが、個人的にはアフリカ諸国なんじゃないかと思うんです。中東の石油のように実質的な利害関係が少ないからムシされているだけで・・。

本作は子ども兵の目から見たリベリア・シエラレオネの内紛を描いた物語。基本的にはフィクションであり語り口はユーモラスなんですが、その内容は想像を絶するこの世の地獄でして、安易に同情したり泣いたりする事さえ拒むような話しです。

少年の話し言葉をとても上手に訳している翻訳の真島一郎氏の功績も大。彼は巻末で西アフリカ情勢を丁寧に解説していて、こちらも読み応えがあります。




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