2005年05月17日

『さらば青春の光』

33735ae3.jpg『さらば青春の光(79年)』(監督 : フランク・ロダム 出演:フィル・ダニエルス、他)

最近スカパーで繰り返し放映されているもんで、ついまた観てしまった。

ロック・バンド「ザ・フー」のアルバム「四重人格(Quadrophenia)」をベースにしたこの青春映画は、60年代半ばのイギリスを舞台に「モッズ族」と呼ばれた当時の若者の喧噪と挫折の日々を描いています。「モッズ(Mods)」とは「Moderns」の略。彼らの多くは労働者階級で、三つボタンにサイドベンツの細身のスーツを身につけて軍用パーカーを羽織り、派手にデコレイトしたベスパに乗ると言ったファンションが特徴。

ロックファンにはマストな映画として薦めてきたけれど、最近ロックとかモッズとかに関係なく純粋に青春映画として優れているんじゃないかと思うようになって来ました。

夜のロンドンを群れて走るベスパの爆音と共に「助けてくれ母さん!オレは狂ってる!」「ホントのオレが分かるかい?!」と歌われるオープニングの「The Real Me」を聞いた瞬間から、映画の中にとりこまれてしまいます。現実から目をそらし、安い給料を洋服とベスパと酒とドラッグに注ぎ込む若者達。毎日つるんでいるにも関わらず「友達」ですらない仲間達との空虚なパーティの日々。

やがて物語はブライトンビーチでの暴動でクライマックスを迎えますが、興奮が過ぎ去った後、何かを失って元の仲間に戻れなくなった主人公ジミーの苛立ちと混乱が、我が事のように思えていつも胸が痛くなるのです。

ジミーが仲間をリードする前半、暴動前夜の静かな興奮、暴力とセックス、そして喪失。ザ・フーの激しくも文学的な歌にのせて爆走するみじめな青春。

ロックファンだけのモノにしとくには惜しい映画かもしれないです。




この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/mogimami/22284033
この記事へのコメント
『さらば青春の光』かぁ。最近モッズな人々を見かけなくなったような。中高生時にはすごくオシャレに見えたもんです。

で、映画の話題なのに本のお話しをしてしまいますが、ブロックの「砕かれた街」をひょえー・・・と言いながら読み終え、とうとう「皆殺し」を手にしてしまいました。
またもやひょえー!です。
うーん、ミステリですからね、殺しは付き物ですが、しかしとうとうここまでやってきてしまいましたか・・・
マットとともに、動揺を隠しきれないままストーリーにひきこまれている最中です。このショックをおねいさんに伝えたかった!

それから「肩甲骨は翼のなごり」も読みました。透明感、イヤイヤ、イギリス特有のちょっともやのかかったよな暗さもあり、幻想的なストーリーですね。良かったです。彼の作品もこれから順々に読んでいこうと思います。
Posted by 宝月 at 2005年05月18日 15:45
>宝月っちゃん
「砕かれた街」はミステリーじゃなかったよね。
ブロックなりの9.11に対するケリのつけ方と言うか、自らを浄化する為の作品だったのかなと。
しかしあれだな。人間いつ何が起こるかわからないんだから、「毛」は大事にしようよって事だよね(笑)
あと、「皆殺し」読むとやっぱミック・バルーって怖い人なんやって感じす。

そう言えば先日のイラクの事件を見て思い出したよ「燃える男」。
クリーシィかっこエエ!けど、復讐モードに入ってからの彼を応援するには抵抗があったス。映画ではデンゼル・ワシントンが演じたらしいが、「違うだろ全然。」と思った黒猫でした。


Posted by 黒猫クロマティ at 2005年05月18日 17:46
そーそー、毛は大事や。うかつにツルツルにしてはいかんです。

でもミステリーやからって、あれだけ長く続いたシリーズの登場人物があっけなく亡き者にされてしまうと、なんか本当に知り合いが亡くなったみたいで、ショックだったですよ。

それとね、イラク事件ね、外人部隊をなぜか訳知り顔で語れてしまいましたよ。といっても「燃える男」から入手した知識だけですが。
第ニ弾「パーフェクト・キル」も読みました。
これ全編まさに復習チガウ復讐に燃える男の話しです。
ストーリーには引きこまれますが、出来過ぎた男と女なんだよなー。クリーシィの周りには、もぉ男が理想とする完璧すぎる女ばっかなんだよなー。つまんない女とかでてこないのかぁ?とか思っちゃったりする。でもまた続きを読もうと思ってるでやんすよ。
Posted by 宝月 at 2005年05月19日 01:39

>本当に知り合いが亡くなったみたいで、ショック
それはあるね。
池波正太郎の「鬼平犯科帳」シリーズでも伊佐治って言う魅力的な登場人物がいるんだけど、彼が死ぬ時は池波先生の所に「伊佐治を殺さないでください」って読者からの手紙がわんさか来たらしい。

で、池波先生もなんとか殺さないようにできないものかと思案したけどやっぱりダメだって事で涙を飲んで殺したんだそうです。
ブロックにもそんな苦渋の決断があったのかな?
それともシリーズがマンネリ化してきたので人員整理を行ったのか・・。

「燃える男」は確かに登場人物が類型化されすぎてる気がします。そこら辺がちょっと物語を薄くしてるかも。

Posted by 黒猫クロマティ at 2005年05月19日 18:40