2005年05月16日

夢か現か幻か・・

f3b149be.jpg『眠り姫』(監督:七里圭 出演:つぐみ、西島秀俊、他 原作:山本直樹)

映画サイト「みんなのシネマレビュー」でお世話になっている、なるせたろうさんの紹介で週末に下北沢で上映された『眠り姫』を観ました。

ヴィム・ヴェンダースの『夢の果てまでも』で登場する、自らの夢を映し出すことができる機械があったらこんな風景が見えるのかもしれないなぁ。

その映像は、心の奥底では知っていて馴染み深いのに現実ではない景色、心の中と現実の間のうすボンヤリとして曖昧で、誰も踏み込む事のできない圧倒的に孤独な空間を思わせました。

劇中、深くて果てしない霧の中をゆらゆらと歩く影の映像を見た時、ふいに何やら心をグイっとつかまれて泣きそうになりました。「ああ私も、何処にも辿り着く事のできないこんな広野を歩いた事がある」と。

会話のシーンにちょっと違和感がありましたが、山本直樹さんの漫画の雰囲気は出ていたのでそこは好き嫌いなのかもしれません。上映に合わせて生演奏した室内楽団カッセ・レゾナントの音楽も良くて、とても素敵な映画でした。

「ひとつの思い込みから解放されて、また次の思い込みに捕らわれる。」
そんな台詞にはちょっと目眩がしました・・・。



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この記事へのコメント
今晩は、ここでは初めて書込みをさせていただきます。常連様、どうもはじめまして。

黒猫様、
早速このような暖かい感想をお寄せいただいて恐縮です。監督の七里圭に代わってお礼申し上げます。

この映画は、なにか、己の心の奥底を覗いているうちに、気がついたら宇宙の果ての見知らぬ惑星にひとり佇んでいるような感覚に襲われました。それを貴方様は「恐い」と表現されていたかと思いますが、私は「懐かしい」と感じました。見知らぬはずの風景なのに、なぜ「懐かしい」のかは、上手く説明できませんが、その感覚がこの映画を観ていくにしたがって、私を覆っていったのです。


Posted by なるせたろう at 2005年05月16日 21:47
>なるせ様
その節は色々ありがとうございました!
このようなつたない感想にコメントを頂きこちらこそ恐縮の黒猫です。

>宇宙の果ての見知らぬ惑星
とのご指摘には「なるほどなぁ」と共感致しました。
「宇宙の果て」から私が想像するのも、深い々底なしの闇であって
それは「死」よりも暗く、果てしなく落下し続ける魂と言うイメージがあります。そんな暗い淵を覗き込む気がして「恐ろしい」と思ったのかもしれません。

なにはともあれ「眠り姫」、生演奏はムリとしても是非映画館でも上映して欲しいです。



Posted by 黒猫クロマティ at 2005年05月17日 12:21