2005年05月11日

『驟雨』

54e7eba7.jpg『驟雨』(監督:成瀬巳喜男 出演:原節子、佐野周二、小林桂樹、加東大介、他)

倦怠期を迎えた子供のいない夫婦の生活を描いた作品。何かに付けてああ言えばこう言うでお互いに不満タラタラの夫婦を原節子と佐野周二が演じています。

絶え間なく嫌みを言い合う夫婦、奥さん方の噂話、犬や子供がウルサイというご近所同士のもめ事、旦那の会社でのリストラ騒ぎ。
まぁホントになんつーか、よくぞこんな話しを映画にできるもんだって位に、身に覚えな話しに苦笑。でもラストはいいんだなぁ。「なんだかんだ言ってあんたらパートナーなんだよね、ハイハイ(笑)」って感じで。

成瀬映画はまだまだ初心者ですけど、ラストシーンの素晴らしさにはいつも感嘆させられます。

この映画の夫婦みたく私も昔からひと言多いタイプの人間なんですけど、最近心がけているのは「最後まで言わない」って事だったりします。議論すると負けたくないもんで、ついつい相手を言い負かそうとして、言わなくても良いことを言ちゃうんですね。そんな時は後から冷静になってみると本題から遙か彼方に到達した自分に恥じ入るハメになります。

堂々巡りになりそうな議論は途中で一旦降りてクールダウンするべしと言い聞かせる昨今です。それは物事をなあなあで済ますって事じゃなくて、謙虚でありたいと思うからです。以前に新聞のコラムで「”他人は全てバカ”論」ってのを読んでハッとしました。

実行できているかどうかは定かではないんですけどね。



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この記事へのコメント
こんにちわ!
「驟雨」の原節子さんを最初に見たときはショックでした。
小津映画のイメージが強かったせいもあるかな。成瀬映画の原節子は、小津映画の原節子とは違った魅力(?)で、今では結構気に入ってます。

まだ、ご健在なのでしょうか。
北鎌倉あたり散歩したら、すれ違ってたりして。
Posted by cafenoir at 2005年05月11日 16:07
>cafenoirさん
原節子、この映画ではくたびれてますよねー。
あと、時々すんごく暗い目をしたり。

小津映画では「晩春」でオヤジの再婚話を聞いた時は
コワーイ目で睨みつけていましたけど、
概ねニコニコ優しくて明るいイメージですもんね。

そして我らが加東大介は、、、
いつも変わらずです(笑)

Posted by 黒猫クロマティ at 2005年05月11日 17:52
>本題から遙か彼方に到達した自分に恥じ入るハメ

↑巧い表現ですね。つい先日もやってしまいました。
本当になんでだろう?
学習能力のなさに我ながらあきれるしかありません(笑)
Posted by カルアル at 2005年05月12日 01:43
>カルアルさん
>つい先日もやってしまいました。
おっ?カルアルさんもそれ系ですか(笑)

特に酔ってる時なんて最悪です。
本質じゃなくて「言葉」に引っ張られちゃうんですよね。
何度翌朝後悔したことか・・・。
最近は随分ましになったと自分では思っています。多分・・(汗)
Posted by 黒猫クロマティ at 2005年05月12日 11:55
>カルアルさん
ところで、今カエタ−ノ・ヴェローゾの「a foreign sound」を聞いているのですが、彼のライブ、国際フォーラムってどうなんでしょう?もうちょっとこじんまりしたハコが良いのでは。

あぁ美しい声だなぁ・・。
Posted by 黒猫クロマティ at 2005年05月12日 23:50