2005年03月30日

奢れる平家祟られる

13c62c1e.jpgNHK大河ドラマ『義経』見てますか?
2週前あたりで「鹿ヶ谷事件」をやっていましたね。

これは後白河法皇の側近である俊寛僧都の山荘で、打倒平家の密議を行った事が発覚した事件です。この事件で俊寛僧都、丹波少将成経、平判官康頼の3人が九州の「鬼界ヶ島」に流されますが、後に丹波少将と平判官は許されて都に帰るも、俊寛だけは許されず一人鬼界ヶ島でその生涯を終えます。

この話は歌舞伎でも有名でして、人形浄瑠璃に書かれた近松門左衛門作『平家女護島(へいけにょごのしま)』の二段目『鬼界ヶ島の場』通称『俊寛』として、頻繁に上演されています(今月も松本幸四郎が演じてました)。

歌舞伎の方は平家物語とはちょっと違った話になっていて、最初は3人とも都に帰る事が許されます。
で、丹波少将が地元の海女で恋人の千鳥も一緒に連れて行こうとしたところ、赦免使は「ダメダメ!3人って言われてるんだからさ。」とこれを拒否。

すったもんだの末俊寛が赦免使のひとりをブチ殺し、罪を犯した自分が島に残るから代わりに千鳥を乗せて行ってくれって事で落着するわけです。俊寛は都に残してきた家族が平清盛に殺されたと聞いて、ガックシきちゃってもうイイやって感じにもなってたんですね。

離れて行く船を追いかけて、その姿が見えなくなるまで手を振る俊寛の壮絶なラストシーンが見所。
私は過去3回(吉右衛門、仁左衛門、勘九郎)この「俊寛」を見ましたが、どーもあまり好きになれないんですよ。見た目も話しも悲惨だし、そもそも丹波少将と千鳥が島に残ればすむ話しじゃん。

因みに現在ではこの二段目以外が上演される事は無いようですが、四段目では千鳥が、厳島で海に突き落とされた後白河法皇を助けた為、清盛に殺されるらしいです。で、俊寛の妻(故人)と結託して怨霊となって清盛に祟り、清盛は熱病で死ぬそうな。

イ〜ネッ!そこまでやってくれたら楽しいんだけどなー。



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この記事へのコメント
『義経』見てます。
その回の放送も見ました。
あ〜これが歌舞伎の『俊寛』に連なるんだな〜と、おぼろげに思いました。
でも、『俊寛』を見たことがないから、そうゆう話であったとは。勉強になりました。

どこでどう見たのかは、さっぱり覚えてませんが、
『未来で!』
という切ない台詞だけが記憶に残っています。
Posted by cafenoir at 2005年03月30日 13:19
>cafenoirさん
『義経』段々盛り上がって来ましたね。どーも弁慶が何やっても「暴れん坊将軍」な所は萎えますが。
先日上戸彩が都に戻る小舟の上から「飽きたなんて嘘だよ〜!」と義経に叫ぶ所で思わずウルウル。
と友人に話したらバカにされました。

『俊寛』は丹波少将と千鳥の結婚式を4人でハッピーにやってたら赦免の船が到着、一転悲惨な結果に・・という展開で残酷なんスよ〜。
Posted by 黒猫クロマティ at 2005年03月30日 15:53
『義経』は、そろそろ源氏の挙兵のようで楽しみです。

歌舞伎には『俊寛』のような、源平に題材をとったものが多いんじゃないでしょうか。一条大蔵卿とか、千本桜とか、勧進帳とか・・・
せっかく大河を見てるのだから、少し勉強してみようかなと思ってます。そうすると、脇役の存在も奥行きがでてくるかな、とかってに思ってます。
Posted by cafenoir at 2005年03月30日 16:56

>源平に題材をとったものが多いんじゃないでしょうか。
そうなんですよね。先日登場の木曽義仲関連だと『源平布引滝』を何度か見たことがあります。

基本的な源平の知識があった方が楽しめると思うのですが、歴史には強くないので本を読んだりしてもこんがらがっちゃって・・。実は時々舞台見ながら眠りこけてます(笑)
Posted by 黒猫クロマティ at 2005年03月30日 22:02
私も大河の「義経」見てます。
ウチの奥さんが何故かNHKファンなもんで。
渡哲也がカッコいい!と盛り上がってようですが、私は、見てて、ヒゲが取れそうで心配です。

あと、中井貴一も好きなようです。
ちょっとドラマの見方を間違っていると思います(笑)。

源平モノの歌舞伎というと、高校の歌舞伎鑑賞で何ぞ見に行ったのですが、何を見たんだったかな?どうも歌舞伎はチンプンカンプン、知識も全然ないもんで・・・。
高校でそろって見に行くと、みんなパンフレットの歌詞(?)にかじりついているので、進行にあわせて観客が一斉にページめくったりして、あれじゃ演じる役者さんもやりにくかっただろうなあ・・・・
Posted by 鱗歌 at 2005年04月02日 15:01
>鱗歌さん

>ヒゲが取れそうで心配です
アハハ・・。気になっちゃうじゃないですか!(笑)

確かに歌舞伎の源平モノはツライ時もありますね。
あと、いくら人間国宝でも中村芝翫の藤娘とか「ジイさん、そりゃムリがないか?」と思ってしまったりで、まだまだ修行の道は長いです。

Posted by 黒猫クロマティ at 2005年04月04日 11:41