2005年01月13日

この時期思い出す『雪暮夜入谷畦道』

2d309520.jpg毎年お正月に浅草公会堂で行われる「新春浅草歌舞伎」のコラムが今朝の朝日新聞に載ってましたね。この公演は若手中心のもので、私は橋之助、染五郎、八十助などが出演した平成4年の公演を見ましたが、印象深かった演目は河竹黙阿弥の作品『雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)』でした。

御家人くずれのお尋ね者「直侍(なおざむらい)」が逃亡前に雪の中、遊女「三千歳(みつとせ)」に別れを告げに行く物語で、なんちゅーかもぅ、たまらん話しなのです。
忘れもしないのが歌舞伎座で見た仁左衛門(直侍)と玉三郎(三千歳)のヴァージョンで、それはそれは目もくらむような美しさでした。

見所のひとつはオープニング、直侍の蕎麦屋での一連の動作です。
蕎麦屋に入るなり「天で一本つけてくれ」と直侍。亭主が「天は山(売り切れ)になりました」と言うと、直侍は「なければただのかけでいい」と言って着物をはしょり股火鉢。
お膳が出たらまずお猪口にお酒をつぐ。そいで、浮いているごみを箸でチョイっとよけて飲むんですね(松島屋!)。蕎麦もつゆをちょっと付けてスルスルっと粋に食べる。
いやもうカッコイイったら。

三千歳のセリフ「一日逢わねば千日の、想いにわたしゃぁ患ろうて 、鍼や薬の験さえ、泣きの涙に紙濡らし、枕に結ぶ夢覚めて、いとど思いのます鏡」ってのも泣かせます。

そしてラスト。逢瀬に踏み込んで来た役人から逃れて直侍が叫びます。
「三千歳!この世じゃ二度と会わねえぜ」

う〜ん、スバラシイ!日本人に生まれて良かった〜。



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